「マジオム」「ヤメオム」誕生秘話‼|ふくむら食堂

マジオム 川本町の記事
マジオム

ふくむら食堂

左から新聞部員、福村久美子さん、福村早苗さん
左から新聞部員、福村久美子さん、福村早苗さん

 川本の街中に佇む「ふくむら食堂」。昼時は多くの人に利用され(現在は昼営業のみ)、満席もしばしば。また、高校など周辺の施設へ料理の配達も行っている。昼食でふくむら食堂の料理を注文する島根中央高校の先生は多い。

 ふくむら食堂の創業は昭和27年。当初は中華のメニューを中心に、うどん、ラーメン、丼などを提供していたが、次第に唐揚げや鶏天などメニューを増やしていき、現在のように様々な料理を提供する一般食堂となった。今も行っている配達を始めたのは、合同庁舎などの官公庁が川本に増えてからのことだ。

 現在は3代目の福村久美子さんが調理を担当し、早苗さんが接客・配達を担当している。

 

 ふくむら食堂のメニューで抜群の人気を誇るのは、「マジオム(マジカルオムライス)」だ。とろとろ玉子に包まれたケチャップライスの中に、大きな唐揚げとソーセージが何個もひそんでいる。大盛りや小盛りがラインナップされているのもありがたい。

 そんなふくむら食堂の人気メニュー「マジオム」はいかにして産まれたのか。マジオムの考案者でもある久美子さんに伺ってみた。

マジオム・ヤメオム誕生秘話

マジオム
マジオム
マジヤメオム
マジヤメオム
マジオム

 ある日、久美子さんがテレビを見ていると、番組内でとろとろ卵のオムライスが流れてきた。久美子さんは強烈なインスパイアを受けた。

 しかしここで久美子さんは思った。「待て待て.. あのオムライスの中に色々なものが入っていたら面白いんじゃないか…」と。

 久美子さんは考えた。一体どんなオムライスを産み出してやろうかと。味やケチャップライスとの相性を軸に考えた末、唐揚げとウインナーの2品目に行き着いた。

 久美子さんはそのオムライスを「マジカルオムライス」と名付け、マジオムが世に出るに至ったのだ。

ヤメオム

 マジオムと並んで「ヤメオム」も人気だ。これはオムライスのケチャップライスがチャーハンになったもので、加藤病院で職員だった方が「チャーハンを卵で巻いてほしい」という要望に応えてメニューになったものである。

 ちょっと不思議だが「ヤメオム」の「ヤメ」は「ヤキメシ」の略だ。ふくむら食堂では焼き飯を注文すると「ヤメ1つ」のように略して呼ばれるので、焼き飯オムライスも「ヤメオム」となる。

 ここでひとつクイズです。「ヤメ」と同様に「やそ」と略して呼ばれるメニューがあるが、一体何の料理を意味するでしょうか。答えは記事の最後で。

 

マジヤメオム

 マジオムのケチャップライスをチャーハンに換えたものがマジヤメオムだ。マジオム、ヤメオム、マジヤメオムの3兄弟の中で、マジヤメオムが最も新しい。最近はマジヤメオムの人気が高く、広い客層から注文が入るそうだ。

野球・三江線・SNSで加速するマジオム人気

 実は、マジオムを販売し始めた頃は、今のような人気はなかったという。

 マジオムが広まるきっかけは、川本高校が合併し島根中央高校となった2007年。男子野球部にマジオムを配達すると部内で人気になり、やがてマジオムが勝負飯として定着した。野球部の生徒がマジオムを食べていると、その保護者もマジオムを食べる。そのようにして、マジオム依存者は順調に増えていったのだ。

 さらにマジオムの人気を後押ししたのはSNSだ。マジオムを食べたお客さんがInstagramやfacebookなどで発信することで、知名度が大きく広まった。「これください!」とスマホを差し出し、マジオムを食べた人のInstagramの投稿を指さして注文する人もいるという。

  「三江線のときは死ぬかと思いました(笑)」と久美子さん。

 2018年に三江線が廃止になったとき、記念のため非常に多くの観光客が川本を訪れた。ふくむら食堂はNHKの特集で紹介されたこともあって、廃線直前はたくさんの料理を振る舞った。中でもマジオムの人気はすさまじく、マジオムだけでも一日に70食を提供した。当時初めてふくむら食堂で料理を食べて、廃線ブームが去った後にもリピートしている方もいるそうだ。

終わらない料理への探究

 テレビを見ているときにマジオムの発想を得たように、久美子さんは日常から料理への探究を惜しまない。

 「他店舗で料理を食べるときは、必ずスマートフォンで撮影し、盛り付けの参考にします。ディズニーが好きで2年に1回ほどディズニーリゾートへ行くのですが、そのたびにも研究です。

ディズニーぬいぐるみ
カゴいっぱいのディズニーグッズ

 ふくむら食堂はに「スパゲティの日」と題して、季節などに合わせたスパゲティやスイーツが提供される。そこで不定期に登場するモカパフェは、久美子さんがディズニーランドに行った際、そこで出されたモカパフェにインスパイアされたものだ。

 「日々料理の勉強です。ゴールはありませんが、とても楽しいです。」

ふくむら食堂「スパゲティの日」って?

スパゲティの日の案内
7月のスパゲティの日

 ふくむら食堂は月に一度、スパゲティ店に大変身する。7月は暑い夏にぴったりな「和風きのこのおろしハンバーグのせ」などを提供した。8月のスパゲティの日はお見送りだ。次回が待ち遠しい。

ふくむら食堂の未来

 ふくむら食堂の未来について、久美子さんに展望を伺った。

「細く長くやっていきたいなと思います。商工会にも属していて、たくさんのことに手をつけるのは難しいので。ギリギリまで料理を作りたいです。」

 最後に、次世代のふくむら食堂について話してくれた。

 「もしマジオムを継承したい方がいれば、その方に(食堂を)お譲りしたいです。福村の食堂や名前ではなくて、ただマジオムのメニューを残すだけでも構いません。そのときマジオムの中身が変わったとしても全然構いません。」

クイズの答え:揚げ焼きそば
ふくむら食堂はソース焼きそばがないため、揚げ焼きそばを「やそ」と略されるそうです。

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